研究活動紹介
現在までにすでに100名を超える研究員・客員研究員の参加を得、7つの短期及び長期の共同研究班―(1)子育て支援、(2)保育指導のプロセス研究、(3)幼保一体化の課題と方向、(4)乳児保育、(5)絵本の研究、(6)施設保育士の養成、(7)アートと保育、(8)気になる子どもの理解と支援、(9)子育てしやすいまちづくりおよび(長期)幼児教育の国際比較―に分かれて、今日の保育・教育現場の課題に密着したテーマを追究しています。そして、研究成果が一応のまとまりをみた共同研究班から順に、その成果を「総合保育双書」として刊行しております。
本プロジェクトでは、子育て支援の現状と今後のあり方について現場の先生方とともに検討を行っています。大阪府下の保育所・幼稚園の保護者および先生を対象にアンケートを実施し、その結果・分析を報告書として刊行する準備を進めています。また、多角的な視野から今後の子育て支援について提言することを計画しています。さらに、子育て支援活動に保護者が積極的に参画している園の事例等を参考に、「支援が必要な保護者をいかに支援につなげるか」について検討していきます。
本プロジェクトでは、保育現場における活動や行事に着目し、そこに至る指導法について考察しています。保育所や幼稚園、こども園の現場を訪れ、各現場において保育指導はどうあれば良いか、またカリキュラムとの関連性について考えていきます。
本プロジェクトでは、保育・幼児教育における児童中心主義とは何かを考えています。環境を通した教育が子どもの主体性を重視する教育である、と言われていますが、それを理論的にかつ実証的に検討していきます。学校教育でいう児童中心主義と、保育・幼児教育でいう児童中心主義の捉え方の違いや、これまでの変遷、現場での葛藤などからアプローチします。
乳児プロジェクトは、指導計画に焦点を当てて事例及び指針の検討を行っています。その中で系統的活動の選択・配列、子どもの育ちを領域別に分ける保育計画のタイプを取り出し検討しております。報告書刊行以後は、これを理論的土台として、臨床的カリキュラム研究及びを行い、さらに、仮説的に示した保育のタイプを具体的な整理を試みています。
この絵本プロジェクトでは、これまで保育実践・小学校教育実践の中の科学絵本の活用を探ってまいりました。これまでの研究では、保育実践や小学校教育実践で活用できる「科学絵本」にはどのようなものがあるかを、保育現場の先生方、小学校教育現場の先生方、そして大学・短大にお勤めの先生方と一緒に、実践を踏まえながら明らかにしてきました。そして、その成果の一旦として、「科学絵本ガイドブック」が刊行される予定です。そして、今後の研究では、それを踏まえて、今年度の計画として、「春(夏、秋、冬)に活用したい生き物や植物をテーマにした科学絵本とは?」ということを研究の中心課題としてプロジェクトに取り組んでいきたいと考えています。
本研究は、児童養護施設、乳児院、障がい児施設等、保育所以外の児童福祉施設で働く保育士(施設保育士)の専門性の発達過程を明らかにします。研究方法は主に以下の3点からなっております。
1)若手職員から基幹的職員までを対象としたインタビュー調査。
2)施設保育士の専門性が、勤務年数とともにいかなる発達過程をたどるのかをインタビューによって解明。
3)施設実習における学生の学びの考察。
保育士養成校における施設実習は、多くの施設保育士にとって、最初に現場と出会う機会です。そこで学生が児童福祉施設という現場といかに出会い、その体験が将来のキャリアといかにつながっていくのかを明らかにします。
※現在は定期的な会合はありません
ここでのアートとは、(1)保育現場で現在様々な形で展開されているアート(造形制作やそれを活用した遊びを含む)と、(2)子どもの発達段階に見合った制作・表現活動にとどまらず、広義の現代芸術や諸技芸(例えばデジタルデバイスを用いたアートやアーティスト主導による先進的なワークショップなど)をも含む概念です。
(1)については日本および諸外国の事例などを検討します。また、(2)のようなアートは、一般にその意味の不定性や収まりの悪さから保育実践の場から遠ざけられています。ですが、保育におけるアートの外延を広げるべく、子どもとアートをつなぐ活動をしている実践家などから実践の事例を聞き、子どもとアートが交わり、そしてすれ違っていく場について研究を重ね、今後の社会・保育環境の進展に見合った子どもにとってのアートの意義を検討していきたいと考えています。
※現在は定期的な会合はありません
本プロジェクトでは保育所や幼稚園で気になる子どもの理解と支援のために、研究員の方々から事例をだしていただき、子どもの実態を多角的に評価し、いかなる支援が必要かについて考えていきます。主にコミュニケーション・ことばの発達につまづいてる子ども達の事例を通して、発達のプロセスを理解し、子どもたちの発達を支えていくための支援の方法について考えていきたいと思います。
「まち」は子どもたちの健全な成長に大きな影響を与えます。つまり、保護者だけでなく、行政、学校、地域社会が連携して子どもを安全に健やかに育む「まち」をつくっていかなければいけない時代になってきています。加えて、子ども自身が「自分の命」を考えることができる環境や、おとながこどもに関する知識を学びやすい環境をつくることも考えていかなければなりません。このような背景の下、本プロジェクトでは、以下の2点を中心に研究を行います。
1)「まち」で考える「地域社会の災害シナリオと防災マップ」
2) 食育やものづくりを通して、子どものための「おとなの学び」
国際的な視点から幼児教育・保育のあり方を探るプロジェクトです。現在は山﨑高哉・大阪総合保育大学学長が中国における就学前教育の現状と今後の展望をテーマとして研究を進めております。また、大阪城南女子短期大学と韓国・青巖大学の学術・教育交流を通した日韓短期高等教育機関の対話というテーマの研究も行なわれています。
※現在は定期的な会合はありません
各プロジェクトの研究会は、大阪総合保育大学の学舎で主に行なわれております。研究員登録していただきますと、すべてのプロジェクトの研究会などご案内をメーリングリストでさせていただきます。
最新の情報は「大阪総合保育大学総合保育研究所FBページ」をご覧ください。